認知症は高齢者に多く見られる脳の病気で、記憶や判断力が徐々に低下していく特徴を持ちます。認知症の種類は4つありますが、その中で最も一般的なのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、脳の中に異常なたんぱく質がたまることで神経細胞が減少し、脳の働きが少しずつ悪くなっていきます。始めは記憶力の低下が目立ち、やがて物事の計画や整理する能力に影響が出てきます。
血管性認知症は、脳の血流が悪くなって起こる認知症です。脳梗塞や脳出血などで血液が正常に流れなくなり、脳の一部がダメージを受けることが原因となります。アルツハイマー型認知症とは異なり、体の特定の部分が動かしにくくなるなどの身体的な症状が見られます。また、大きく症状が進行することもあれば、段階的に悪化するケースもあるのが特徴です。
レビー小体型認知症は、脳の中にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質がたまることで起こります。注意力や視覚的な認知が影響を受けるのが特徴です。日によって症状が変わるケースがあり、幻覚を見たり、夢と現実の区別がつかなくなったりすることもあります。パーキンソン病に似た震えや動作の遅さといった症状が現れることもあります。
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉が委縮して生じる認知症で、人格や行動に変化をもたらすことが特徴です。たとえば、以前は気にしなかったことを急に気にしだしたり、社会的なルールを無視するようになったりします。言葉が出にくくなる、意欲がなくなるなどの症状も見られます。